勝手にテーマを考える日記

アニメ、漫画、ゲームなどのテーマを勝手に考えます。

映画「怒り」 人気俳優とゲイ表現のジレンマ

f:id:logc:20170926123847j:plain

 

映画「怒り」を観ました。

私としては、この映画は、妻夫木聡綾野剛がゲイ役で出演という一点に興味が集中していたのですが、その点に関しては十分過ぎるほどに描写がありました。

予想外の純愛路線の展開にびっくりしてしまいましたが、プロの俳優さんによる本気の演技でこれを観られることは、非常に貴重なことと思います。

しかも妻夫木聡です。どうやって監督が彼を口説き落としたのか・・・

それも、彼らの部分だけを切り取ってみれば、BLの定石を抑えた展開になっていて、ゲイというよりは、全体的にBLよりの表現だったように思います。

「昨日なに食べた」でいうところの、シロさん側。おネエはいってないし、ガチムチでもヒゲでもない。男好きする男というよりは、女好きする男が男を愛している状態。 ゲイもてしないタイプのゲイたち?でした。

しかし、そもそもプロの人気俳優なんて女性に好かれなければ始まらないわけで、人気俳優が演じるゲイというのがBL的な雰囲気になるのは仕方のないことなのかもしれない。

一般人気もあるちゃんとした俳優さんにゲイを演じてもらえて、腐女子としては嬉しいけれど、第一線でやっているプロの俳優はみんな女性人気の塊みたいな人たち。

そうなると、リアルなゲイの姿からは離れていかざるを得ないのかな、と思ったりしました。

 

あと印象に残っていたことは、宮崎あおいは改めてすごい女優だなということと、広瀬すずはきれいすぎるなということでした。

それぞれ一筋縄ではいかないキャラクターを演じていたわけですが、宮崎あおいは悲惨なシーンでは振り切れて悲惨に見える。この女優さんがレッドカーペッドできれいなドレスを着て微笑んでいる顔がまったく想像できないほどに観ている側がその役として女優を見れる。

一方で広瀬すずは、最後の最後までシーブリーズのCMの一コマかしらという雰囲気があり、結局何やっててもどんな服着てても広瀬すずであるという感想しか浮かばない。10代の女優さんにやらせるにはきついシーンなんかもありましたが、広瀬すずちゃんにこんなことさせて大人として申し訳ない、と思ってしまいました。

どこかの書評で広瀬すずは「美形」という表現をみましたが、本当に徹底して美形な彼女は、例え泥ぬったくっても美形のままでした。それはそれで得難い才能だなと思いつつ、時には売春婦の皮もかぶれる宮崎あおいのほうが女優としては好きだなと思います。